韓国の国花

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ムクゲ(槿、木槿、無窮花)(Hibiscus syriacus; 英語 rose of Sharon)はアオイ科の花。
韓国の国家を象徴する国花として知られるムクゲ。ムクゲは夏から秋にかけて美しい花をつける。
色も白や紫、赤、黄色など様々な種類がある。
韓国では、無窮花(ムグンファ)と書き、長く咲き続ける花として愛され続けている。政府ではこのムクゲの花の中でも、中央に赤い花心がある一重咲きの品種を普及品種にしていしている。
韓国ではホテルのランクを示す星の代わりに、このムクゲの花が用いられている。

むくげの花(=韓国の国花)三千里
華麗な山河 大韓人よ
大韓を永久ならしめよ

これは「愛国歌」の歌詞である。
国歌にあるように韓国の国を象徴する花は無窮花(ムグンファ)である。
しかしながら、国花として無窮花が指定された理由についての正確な資料はない。
無窮花は、昔から朝鮮列島全域に広く伝わり愛されてきた花である。
現在では歴史的な背景や多数決などによって決まった事が推定されている。

また、1910年韓国併合条約によって、大日本帝国の朝鮮支配が始ると、日本人が無窮花を乱暴に振舞った事から、韓国国民は「無窮花植木運動」として日本に反抗した。それから韓国民族の精神を象徴する花として国花になったともされている。

無窮花の花言葉は「一途な心」「粘り強さ」であり、寒さに強く丈夫で、花が一斉に咲いて落ちるのではなく、次々と新しい花を咲かせ、長い期間で花が咲き続けるため無窮花と呼ばれている。

ムクゲは、韓国民族の魂の象徴であり、建国当時から天地花(空を示す花)と呼ばれていた。
当時は、国家の人材を養成する教育制度があったが、頭に天地花を刺して歩いていた事から「天指花朗(チョンチファラン)」と呼ばれていた。
そして後日、新羅の花朗(ファラン)という名前はこのようにしてできたことで、「花」とはムクゲを意味している。
檀君(タングン)時代の時には頭にムクゲを刺した風習がのちの高句麗、新羅、百済に伝わり高麗と朝鮮王朝までも続きました。

そして高麗時代には、国の別称を「槿域(グンヨク)」、「槿花郷(グンファヒャン)」とも呼ばれ、これは「無窮花の国」という意味がある。
科挙に合格した者には「御賜花(オサファ)」という無窮花の飾りが贈られた。現在でも韓国の国章や名誉を称える勲章には無窮花のモチーフがデザインされている。これによって韓国民族がどれほどムクゲを愛していたのかがわかる。
また大日本帝国の朝鮮支配後には、 日本人が「無窮花はアブラムシが多く、朝に咲いては夜に萎む、どこにでも咲いて生える雑草」「無窮花に比べ桜は優雅」などと無窮花を非難した。
植民地時代の困難を韓国国民と供に乗り越えてきた無窮花は、その時から現在まで愛され続けている。
桜のように派手ではないが、韓国の母のように優雅で素朴な美しい花である。散っては咲く力強い生命力と韓国民族の性格を例えられている。