韓国ならではのキムジャン

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みなさんこんにちは

ソウルは日に日に寒さが増し、厳しい冬の寒さとなっています。
朝方には氷点下となることもあります。
街中ではクリスマスの飾りつけやイルミネーションが見られるようになり、年末ムードも感じられるようになってきました。

今回はキムジャン(김장)をご紹介します。
キムジャンは毎年11月下旬から12月中旬にかけて大量のキムチを漬ける行事です。
一年の中でも韓国ならではの大きな風習の一つです。
今年の「キムジャン日和」や「白菜の相場」、「キムジャンが行われる様子」などは、
この時期のニュースでもよく取り上げられています。
そして街の中を歩いていると、住宅街の一角や食堂、
レストランの前などでキムジャンを行う人々の光景をよく目にするようになります。

キムジャンの始まりは、新鮮な野菜をとることが難しい冬に備えて保存食として蓄えるために、
冬を迎える前に大量のキムチを漬けるようになったといわれています。
今ではキムチは、一年を通して韓国の食卓には欠かせない食べ物です。
キムジャンがあってこそ、いつでもおいしいキムチが食べられます。

このキムジャンの時期が近づくと、市場やスーパーマーケットでは、
大量の白菜や唐辛子はもちろん、キムチを漬けるのに必要なさまざまな材料が並ぶようになります。
キムジャンを行う家の人々は、さまざまな材料を揃えるために市場やスーパーマーケットを回ったり、忙しくなります。
特に家庭の主婦たちにとっては、材料を揃えることもこの時期の一大行事です。
街の中では、「お宅のキムジャンはいつ?」「キムジャンは終わった?」などの会話が聞こえてきます。

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長期間食べられるキムチには、一つ一つの材料にもこだわりがあり、
できるだけ安くてよいものを求めて材料が揃えられますが、材料費だけでも高額となります。
キムチといっても各家庭やお店、地方によっても材料や漬け方に違いがあります。
そのため、家庭やお店、地方によって特徴的なキムチの味となっています。
地方の気候の違いによっても、発酵の進行が異なり、味も変わるといわれています。
一度に大量のキムチを漬けるためには、人手が必要となるため、
家族や親戚、近所の人々、友人などがお互いに協力し合ってキムジャンを行っています。

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大家族やお店などでは山のような白菜が漬けられ、白菜の葉一枚一枚に薬味を塗っていくだけでも手間隙かかる作業です。
大人数で一斉にキムチを作っていきます。
また材料やキムチを持ち運ぶのは重労働のため、男性も手伝っています。

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世間話をして味見をしながらキムチを漬ける女性たちの姿も、キムジャンならではの光景です。
塩漬けされた白菜に薬味を塗っただけのコッチョリ(겉절이)と呼ばれる浅漬けキムチもとってもおいしいです。
手間隙をかけて作られたキムチは、格別なおいしさです。

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薬味を塗って容器に入れた後は、常温で数日保存して発酵を促した後に、冷蔵庫で保存されます。
韓国には温度を一定に保つキムチ専用のキムチ冷蔵庫があるので、大量に保存することができます。
キムチを保存しておくと、キムチをそのまま食べるだけではなく、
キムチチゲをはじめキムチを使った料理にいつでも使うことができます。

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市場やスーパーマーケットには、キムジャンに使われる食材だけではなく、
キムチを作る際に使われる大きなタライやゴム手袋、ビニール袋、保存用の容器なども大量に並べられています。
また、キムチ冷蔵庫のセールなども行われています。

キムチを漬ける材料費も高額であったり、今では食べたい時に市場やスーパーマーケットでキムチが手軽に買えることから、
キムジャンを行わない家庭も増えているといわれています。
しかしながら、「お母さんの漬けたキムチが一番」ともいわれるように、
他では味わえない各家庭の味があるキムチは、キムジャンを通して次の世代へ引き継がれています。

キムチは、発酵食品として乳酸菌が豊富に含まれていることは広く知られています。
乳酸菌には、免疫力の強化や整腸作用があります。
他にも、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分、食物繊維など、豊富な成分が含まれています。
キムチは、健康な体づくりにさまざまな効果があります。

韓国旅行へお越しの際は、本場のキムチを味わってみてください。