みなさんこんにちは
今週に入って朝晩はますます気温が下がるようになり、肌寒い気候になってきました。
日中には秋晴れのお天気も続き、すがすがしい爽やかな気候です。 街中の街路樹も紅葉しています。
今回は10月7日に開催された、“朝鮮時代科挙制再現行事”をご紹介します。
今年は、仁寺洞から近い雲峴宮(운현궁/ウニョングン)で開催されました。
雲峴宮は、朝鮮第26代王の高宗(고종/コジョン)が王位に就く前に生活した所で、
父親の興宣大院君(흥선대원군/フンソンデウォングン)の邸宅であったところです。
高宗と明成皇后(명성황후/ミョンソンファンウ)の結婚式もこの雲峴宮で行われました。
歴史的な建造物として多くの観覧客が訪れていますが、一年を通して韓国の歴史や伝統を伝えるさまざまな行事も行われています。
科挙(과거/クァゴ)は、高麗時代初期から朝鮮王朝時代末期まで行われた役人の任用試験です。
1994年から今年で19回目を迎える科挙制再現行事は、先祖のソンビ精神を継承するという目的があります。
ソンビは、学識と礼節をそなえた人々ことです。
再現行事には、毎年約200人が実際に文科試験を受け、合格者には賞金もあります。
行事が行われる際には、雲峴宮は無料入場となります。
再現行事では、科挙の試験だけではなく、宮中舞踊、伝統国楽、パンソリなどの伝統芸能の公演も行われました。
午前中に行われる試験にはじまり、一日がかりで行われる行事となっています。
合格者の衣装を着て記念写真を撮影する体験などもあります。
見学するだけではなく、実際に体験しながら歴史を学ぶことができます。
試験の前には王が登場し、お辞儀をする儀式が行われた後、王が決定した出題が試験官によって提示されます。
受験生は、当時の両班たちが着ていた礼服姿で試験を受けています。
伝統衣装を着た人々が並ぶ様子は、韓国の歴史ドラマや映画に登場するワンシーンのようです。
大きな韓紙の答案用紙に、筆を使って出題に答えています。
幅広い世代の受験生が、一生懸命試験に挑んでいます。女性の受験生の姿もあります。
試験官も伝統的な衣装を着ています。
一般の見学者席も整えられ、儀式の途中には韓国語と英語による解説も行われています。
受験者の家族や友人が見守る姿もありました。
たくさんの報道陣も取材に訪れています。
当時の試験における段階ごとの儀式も再現され、実際に行われていた試験がいかに大きな規模であったかということがわかります。
試験会場の正面には王の玉座も整えられています。
再現行事の最後には、放榜儀(방방의/バンバンイ)と恩榮宴(은영연/ウニョンヨン)が行われます。
放榜儀は、合格者が国王の前に整列して4度のお辞儀をし、合格証書を受け取る儀式です。
恩榮宴は、合格者の栄誉を祝福して賞金が与えられたり、宴会が行われます。
また、合格者が王から受け取った御賜花を付けて、街の中を行進する遊街行列(유가행렬/ユガヘンリョル)も再現されます。
再現行事では、歴史の中での重要な儀式に触れる貴重な機会となりました。
韓国旅行へお越しの際は、各地で行われる行事もチェックしてみてください。