景福宮はソウルの5大宮の一つで、朝鮮王朝第一の正宮として600年の歴史がある。1395年太祖・李成桂が高麗の首都を移転した際に新しい王朝の宮殿として創建した。
1592年壬辰倭亂の際に焼失したが、1868年高宗の時に再建した。興宣大院君の主導により再建された際には景福宮は、330棟の建物がびっしりと立ち並ぶ雄大な姿であった。
宮廷内には王と役人たちの政務施設、王族たちの生活空間、休息のための庭園施設を造成し、王妃の中宮、王世子の東宮、高宗が建てた乾清宮など、多様な宮が複雑に立っていた。日本帝国強占期だった1911年は景福宮敷地の所有権が朝鮮総督府へ移り、多くの建物が撤去されたが、1990年から本格的な復元が進み、朝鮮総督府建物を撤去して興禮門の復元を行っている。
景福宮という名前には“新しい王朝が大きな福を享受して繁栄する”という意味が込められていて、1963年1月21日に史跡第117号に指定された。
景福宮は15万坪に達する広い敷地に長方形に作られ、南側には正門である光化門、東側には建春門、西側には迎秋門、北側には神武門がある。宮内には勤政殿をはじめ、交泰殿、慈慶殿、慶会楼、香遠亭などの殿閣がある。
景福宮の正殿である勤政殿は公式的な儀式を行い、官僚たちの朝礼が行われていた。
見所ポイント
光化門と宮殿塀
東西南北の4ヶ所に大門があるが正門である光化門は3つの出入口がある。入口が一つしかない他の大門と異なり、現在復元工事が行われている。
光化門は中層になった門楼を支える基壇石垣に3個のアーチ型の構造となっている。中央は王が、左右は皇太子と臣下が出入する門である。門楼の鐘は時を知らせるのに使われた。
宮殿塀(宮城)は宮を囲んでいる高い塀をいう。景福宮の宮城は1398年(太祖7)に東側、南側、西側が造成された、宮城はほとんど四角形の形態をしていた、壬辰倭乱で宮廷建物が焼失した際も宮廷を保護する役割をした。日帝強制占領期に一部が取り壊され、朝鮮戦争時に破壊した。現在は何度も築き直したことで、一部は本来の位置よりも中に入り込んでいる。
勤政殿
国宝223号に指定された、勤政殿は景福宮の正殿で国家的行事を行っていた所。宮殿内でも最もも規模が大きく格式を整えた建物である。中層になった勤政殿建物は2段の高い月台の上に位置していて前面では重要行事を行うことが出来る広場がある。王の即位や外国使節接待などの大きな行事は勤政殿を中心に成り立ったが、この時、臣下らは広場に置かれた品階石によって決まった位置に席を置いた。勤政殿“天下のことは勤勉であれば治まる”という意味を持っている。国家と王を象徴する建物であった。
思政殿
思政殿は王が日常的な業務を行った所で、王と臣下らが政治を論じたり、王が直接見守る中で過去に試験なども行われた。左右には萬春殿と千秋殿にはオンドルがしかれており冬でも利用することが出来る。三つの建物が並んでいる様子はまるで王が臣下をたずさえているようである。
康寧殿と交泰殿
景福宮には王と王妃の寝殿領域が二つに区分されている、交泰殿は宮殿の中心にあるので中宮殿ともいい王妃の寝殿である。前には王の寝殿である康寧殿があり、後ろには峨嵋山後苑(庭園)が広がる。そこには自然石や石の飾り物で美しく飾られた階段式花壇がある。 宮廷内の寝殿では王と王妃が日常生活をするところであり、内外の王の親戚を呼んで宴会をする所でもある。
香遠亭
香遠亭は“香りが遠くまで広がっていくという意味”で、1873年に高宗により乾清宮を建てる時に造成した。美しい香遠亭は、池の中央に造られた人工島の上に六角形の東屋がある。この北側に、高宗夫婦が居住するために立てられた乾清宮がある。
慶会楼国宝224号に指定された慶会楼は、創建当時には小さな楼閣がったものを1412年(太宗12年)に池を大きく拡張して今のような規模で再建された。王が主催する宴会を行ったところで、高い楼床に上がると西方の仁王山の風景が屏風のように広がる。2階の空間は3つに分けられていて、中心部の床面が最も高く外側にいくほど一段ずつ低くなる。
衣装体験、フォトスポット景福宮で行われている行事
守門将交代式
♦紹介:決められた時間ごとに光化門の守門将が勤務を交代することを再現する行事
♦時間:10:00~16:00、毎時間定刻00分
(休館日、雨天時は中止、また事情によって変更する場合あり)
♦場所:景福宮の光化門前の広場
王様、王妃様の宮廷散策再現行事
♦紹介:王様と王妃様及び臣下など約25名が景福宮を散策する場面を再現する行事。香遠亭の前ではポットタイムもあり。
♦期間:4,5,6,9,10,11月
♦時間:毎日14:00(火曜日除く)1回のみ
景福宮(韓国語 경복궁) | |
住所 | (日本語) ソウル市 鐘路区 世宗路 1-56 (韓国語) 서울시 종로구 세종로 1-56 |
電話番号 | 02-732-1931 |
運営時間 | 09:00~18:00 (11~2月:17:00まで、5~8月と週末の祝日は19:00まで) ※入場は観覧終了時間の1時間前まで |
休日 | 毎週火曜日 |
入場料 | 大人(19~64歳):3,000ウォン 青少年(7~18歳):1,500ウォン |
日本語 | 日本語案内 10:00、12:30、14:30 |
ホームページ | http://www.royalpalace.go.kr/(韓国語・英語) |