イ・サン

発行日

作品紹介

500年の王朝史において最も波乱万丈な生涯を送った18世紀後半の第22代朝鮮王イ・サンの物語。オープンな考え方を持ち、民主的な方法によって全ての人々を包容した賢君だ。その劇的な人生と挫折、成功と後悔、偉大な王として多くの輝かしい実績と切ない愛がドラマに描かれている。歴史上に実在した人物と歴史の出来事をベースに友情や純愛ストーリーをドラマに収めている。また、宮廷行事の記録画などを担当した役所の図画署(トファソ)の様子が、ドラマで初めて詳しく描かれた。『イ・サン』は、時代劇史上最高の視聴率63.5%を記録し、世界に名を馳せた『宮廷女官 チャングムの誓い』や『ホジュン 宮廷医官への道』、『トンイ』などを手掛けたイ・ビョンフン監督による作品だ。韓国歴史ドラマのヒットメーカーとしてアジア全土に韓国時代劇ブームを巻き起こした監督である。韓国以外の国でもファンの多い監督の一人であり、韓国歴史ドラマの巨匠としても知られている。名監督が務めるドラマとして、韓国中の時代劇ドラマファンからも注目を集めた作品となった。
主演には『チェオクの剣』のファンボ・ユン役で人気を集めたイ・ソジンと『復活』や『京城スキャンダル』のハン・ジミン、そして正祖のライバルを演じるチョ・ヨヌ、宮中で実権を握る和緩翁主役のソン・ヒョナ、正祖の正妃役のパク・ウネの出演でより人気を集めた。韓国では最高視聴率38%を記録し、あまりの大好評によって、予定より放送話数が増えたドラマだ。放送当初は競争作であるSBSドラマ『王と私』の人気で視聴率が大きく劣っていたが、テンポあるドラマの展開によって視聴率30%を軽く超え、月火ドラマ視聴率第1位を獲得した。2009年8月2日からは、日本のNHK BS2でも放送された。

作品名 イ・サン
出演イ・ソジン、ハン・ジミン、イ・スンジェ 
放送期間 2007年9月17日~2008年6月16日(全77作)
放送局 MBC
監督イ・ビョンフン、キム・グンホン 
脚本 キム・イヨン


あらすじ18世紀後半の朝鮮経済を大いに発展させた名君として知られる朝鮮王朝第22代国王のイ・サン。幼い頃に王位をめぐる争いによって、父である思悼世子(サドセジャ)が、祖父王によって米櫃に閉じ込められて刑死にされるのだ。父が亡くなる直前、イ・サンは米櫃に閉じ込められた父の思悼世子(セドセジャ)に食べ物を持っていこうとし、途中でソン・ソンヨンとパク・テスに出会う。この時3人は、自分達が置かれている身分など知らずに友人となり、後に共に助け合っていく関係となるのである。また、ソンヨンに好意を抱くようになる。

サンは、祖父であり朝鮮王朝第21代国王である英祖の後継として即位するが、様々な陰謀によって常に命を狙われながらも政治の改革に着手していく。朝廷内には老論派(ノロン派)と呼ばれる派閥が重きをなしており、老論派と対立する少論派(ソロン派)および南人派(ナミン派)を支持するサンは常に老論派から命を狙われることとなったが、ソンヨンとテス、父が重用していた忠臣などの助けによって、朝廷内の誤った慣習を撤廃させたり、政策に改革を加えるなど朝鮮末期文化に華を開かせた。

登場人物• イ・ソジン(イ・サン役)

朝鮮王朝第22代国王である正祖(チョンジョ)。思悼世子(サドセジャ)の次男であり、英祖の孫にあたる。朝鮮王朝の復興を築いた君主だ。
祖父の朝鮮王朝第21代国王である英祖(1694~1776年)の意志を継ぎ慈悲深き、聖君になるため改革に取り組んでいく。しかし、英祖によって実の父の思悼世子が殺されてしまうのだ。11歳という若い年齢で、父の死という暗い過去を背負いながらも明るさを失わず、芯の強さを忘れずに生きていく。優しく正義感が強い。洞察力と明晰な頭脳は、祖父の英祖と似ていたが、イ・サンには人への暖かい心遣いがあったのだ。また、勉強熱心で武芸にも優れている。祖父の英祖から後継者として多くを学び、愛する女性のソンヨンやテスなどたくさんの人々から助けられるのだ。約24年の短い在位期間であったが、華麗なる文化の華を開かせ、人本主義を土台として政治・経済・文化の各分野において不朽の業績を残した。 25歳で即位する際には、「私は、思悼世子の息子だ」と臣下に向かって宣言し、父の無実と正当性を示した。

• ハン・ジミン(ソン・ソンヨン役)

正祖王が愛し続けた女性。正祖の側室。

幼い頃に両親を亡くし女官見習いとして宮中入りをする。まだ幼い弟のソンウクは養子に出されて生き別れをした。11歳の時に昌徳宮の徽寧殿でイ・サンとテスに出会う。だが、武器庫事件でサンを助けたことによりサンの敵に命を狙われ、パク・タルホとテスの3人で逃亡したのだ。自分に好意を抱くようになるテスの気持ちを知りながらもサンを一途に思い続けている。後にサンに再会することを願い、図画署の茶母(下働きの女性)として、サンを陰で見守るのだ。ソンヨンの父はかつて図画署に在籍していて、その影響を受けてかソンヨンも絵の才能に恵まれていた。その後、正祖の後宮となり、最初の王子である文孝世子を生んだ宜嬪成氏(ウィビン・ソンシ)となる。

• イ・スンジェ(ヨンジョ役)

朝鮮王朝第19代国王の粛宗の次男であり、第21代国王だ。歴代の朝鮮王の中で最も長生きした君主であり、在位期間も約52年と最も長い。厳格な性格であるが鋭い洞察力と明晰な頭脳を持ち、リーダーシップにも優れている。党争の中で自らの生命の脅威まで感じていた英祖は、朝廷では少論派より老論派を重用するようになるが、これが後に自身の息子の王世子(サンの父)を死に追いやることとなってしまい、一生悔やみ続ける。その後、英祖は失った息子を追悼すると共に、孫であるサンを王世孫に冊立させる。サンを可愛がるがその愛情に比例するように厳しく調教していき、帝王学を叩き込むのだ。 死の直前、密かにソンヨンを呼び寄せて思悼世子の肖像画を描いてもらい、肖像画を見ながら一人涙した。

主なロケ地• 龍仁MBCドラミア(京幾道、龍仁)

2011年に正式にオープンした龍仁MBCドラミアは、約43万坪もの敷地全体に壮大な建築物が広がるドラマセット場である。主に時代劇ドラマの撮影地として、多くの時代劇ドラマがこの場所で撮影されている。セット場では、韓国の三国時代(高句麗、百済、新羅)や高麗時代(918-1392)、朝鮮時代(1392-1897)の建築物や街並みが再現され、各時代別に王宮や城郭、市場、個性溢れる民家などの数多くのセットが造成されている。またセット場ではあるが、大理石など実際に使われる建築材が用いられると共に、昔の建築法で建設されているため、迫力もあり見ごたえがある。このドラマはドラミアの様々な場所で撮影されていた。

• 韓国民俗村 (京幾道、龍仁)

京畿道の龍仁に位置している。韓国の伝統的な建物と資料を昔のままに再現した韓国最大の野外民俗博物館である。韓国の昔の家屋が連なり、まるでタイムスリップしたかのような感覚が味わえる。『イ・サン』の他にも、『大長今(宮廷女官チャングムの誓い)』『一枝梅(イルジメ)』『王の男』『太陽を抱いた月』など様々な韓国時代劇の定番の撮影場となった。また、撮影地以外にも韓国の民俗文化が息づく場所として、韓国を代表とする観光地としても有名である。『太陽を抱いた月』では、ヤンミョンが住む家や市場などのシーンが撮影された。

• 華城行宮(京幾道、水原)

水原華城行宮は、朝鮮後期の政治と軍事または社会文化の変化を見ることができる重要な遺産である。日帝强占期によって壊されたが、華城行宮洛南軒(ナンナムホン)だけが残り、その後全てが復元された。朝鮮時代の行宮の姿がほぼ再現されている。行宮とは、戦乱、休養、陵園参拝などで王が地方に出向いた際の臨時の滞在場所として別途に建てられた宮のことである。この華城行宮は他の行宮の中でも最も美しい場所として数えられている。

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