新たな歴史を刻む崇礼門

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みなさんこんにちは

今週はじめは雨模様となり、気温が下がりましたが、
週末にかけて再びお天気が回復し、蒸し暑さが戻ってきています。

今回は崇礼門(숭례문/スンネムン)をご紹介します。
崇礼門は南大門(남대문/ナンデムン)の名で親しまれている朝鮮時代の城門です。

崇礼門は門の周辺に広がる南大門市場と共に、ソウルを代表する名所となっています。
しかしながら、2008年2月に起きた放火事件によって、
木造の大部分が焼失してしまうという惨事に見舞われました。
その後、再び崇礼門の姿を取り戻すために、長期に渡って調査と復元工事が進められてきました。

今年の4月には5年3ヶ月に及ぶ復元事業が終了し、崇礼門の姿が再び見られるようになりました。
5月はじめには、崇礼門復旧記念式も開催され、
崇礼門の周辺は完成を喜ぶ多くの人々で大混雑となりました。
歴史に刻まれる大事業には、多くの専門職人たちが携わっています。
崇礼門は、復元後も国宝第1号を維持することとなりました。
あらためて歴史遺産を守る重要性を伝えています。

復旧記念式の後からは一般公開が始まりました。
完成したばかりということもあり、多くの人々が見学に訪れています。
外国人観光客はもちろん、週末には韓国各地から訪れる家族連れの姿があります。

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新しく復元された門の左右には、城郭の一部も復元されました。
当時の姿に近づけるため、より迫力ある城門の姿となっています。
工事が行われていた際は、火災で残された資材が積み上げられていたり、
建築資材を伝統的な製法によって作る鍛冶場などが設置されていた場所も、
今では植栽が整備され、草木が青々と輝いています。
崇礼門の案内が書かれた看板も各所に設置され、国宝第1号と記されています。

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門の前後には広めのスペースがとられ、門を通り抜けることができます。
観覧客の入口は門の正面側にあります。
王宮などでも見られる韓国独特の色彩は、とっても鮮やかです。
門の名前が書かれた扁額は、一般的に横書きとなっていますが、崇礼門の扁額は縦書きとなっています。
これは南側に位置する冠岳山(クァナクサン)の形が火気を表していたため、
この火気から景福宮と都を守るという意味が込められているそうです。

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崇礼門を通り抜けるアーチ状の中央通路は虹霓門(ホンイェムン)と呼ばれています。
天井部分には色彩鮮やかな龍の絵が描かれています。
朝鮮初期の丹青を復元したものといわれています。

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こちらは門を通り抜けた裏側になります。
門の土台部分には、色の違う石積みが見られ、以前からの資材と新しい資材で修復されたものが分かります。
出来る限り残された資材を使って復元されています。
門の裏側でも、記念写真を撮影する人々の姿がありました。

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崇礼門は、いろいろな角度から見ても違った美しさがあります。
夜にはライトアップもされています。

週末の土日には、楼閣の1階部分が見学できる特別観覧ツアーも行なわれています。
土日の決められた時間から、先着20人のみ見学することが可能です。

新しくなった崇礼門には、係りのスタッフや警備員の姿も多く、観覧客を誘導しています。
近くには、管理事務所や公衆トイレなども設置されていました。
復元事業によって防災設備も強化されたといわれています。

崇礼門の周りは高層ビルに囲まれ、交通量の多い大都会の中心となりますが、
崇礼門は現在も都を守りながら荘厳に構えています。
新たな姿となった崇礼門は、ますます多くの注目を集めています。

韓国旅行へお越しの際は、崇礼門も見学してみてください。