平和への願いを伝える臨津閣観光地

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みなさんこんにちは

ソウルはすでに真夏のような気候が続いています。
日中には30度を超える気温となっています。

今回は臨津閣(임진각/イムジンガク)観光地をご紹介します。
臨津閣観光地は、京畿道北西部の坡州市に位置しています。
坡州は軍事境界線を隔てて北朝鮮と隣接する地域です。
坡州には南北関係の現状や歴史に触れるさまざまな施設が点在しています。

臨津閣は、朝鮮半島の統一を祈願するために立てられた施設です。
軍事境界線から南に7km離れた所にあります。
3階建ての建物には、軍事境界線付近を見渡す展望台や記念館、レストラン、売店などがあります。
また臨津閣周辺は臨津閣観光地と呼ばれ、
自由の橋や平和の鐘、記念碑、公園施設など、さまざまな施設があります。

臨津閣観光地は、民間人統制区域の外にあり入場規制がないため、各地から多くの人々が訪れています。
観光客だけではなく、休日を過ごす家族連れでも賑わう坡州を代表する行楽地となっています。
また、戦争の現実や平和をあらためて感じる場所でもあります。

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臨津閣の前には臨津江と呼ばれる川が流れています。
臨津江にある「自由の橋」は、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた後、
捕虜1万3000人余りが橋を渡って帰還する際に、「自由万歳」と叫んだことから自由の橋と呼ばれています。
臨津閣側から現在見られる鉄橋は、京義線下り線の橋です。上り線の橋は、戦争時に爆撃を受け、橋脚だけが残されています。
自由の橋から鉄橋へと続くフェンスには、太極旗や南北統一のメッセージが書かれたたくさんのリボンが取り付けられています。

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自由の橋の横には、蒸気機関車が展示されています。
この列車は、戦争中に軍事物資を運ぶために運行されていましたが、途中で爆撃の被害を受け、
そのままの状態で半世紀以上もの間放置されていたものです。
列車の車体には銃弾の爪跡が残されています。
現在は登録文化財に指定され、訪れる人々に戦闘の激しさを伝えています。

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臨津閣の展望台に上ると、軍事境界線付近の景色や臨津閣観光地が見渡せます。
軍事境界線付近は、手付かずの自然が残されているといわれています。
臨津江の手前には「平和の鐘」があります。
鐘は、戦争で使われた銃やヘルメットなどを溶かして、人類平和と民族統一を願って造られたものです。
大晦日から新年を迎える際には、平和を祈る鐘がつかれ、多くの人々が訪れる様子がニュースでも報道されています。
展望台前にある「望拝壇」の記念碑では、旧正月や秋夕に故郷を離れた人々が合同祭祀を行なっています。
北朝鮮に少しでも近い場所として、離散家族が集まる場所となっています。
臨津閣内の売店では、地元の特産品や北朝鮮のお酒、カンパンなどの軍用非常食が売られています。

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臨津閣観光地の入口近くには、「平和ランド」と呼ばれる小さな遊園地があります。
小さな子供たちに人気のさまざまなアトラクションがあります。

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広大な芝生の広場が続く「平和ヌリ公園」は、2005年の世界平和祝典の際に造成された公園です。
公園には、大型の野外ステージなどもあり、さまざまなイベントも開催されています。
また、各所に芸術作品が展示され、新しいアートセンスが感じられる美しい景観となっています。

テントを張ってピクニックする家族連れや、噴水広場で水遊びをする子供たちの姿がありました。
また噴水広場の近くでは、さまざまな伝統遊びが体験できる施設もあります。

ソウルからわずか1時間ほどの距離に位置する臨津閣周辺は、田園風景が広がり、豊かな自然が感じられます。
自然と触れ合ったり、平和への願いが強く感じられる場所です。

韓国旅行へお越しの際は、ソウル近郊の名所にも行ってみてください。