1945年9月朝鮮総督府の博物館を引き取り改編を行い、韓国初の国立博物館を設置し、南山、徳寿宮、景福宮などを経てから今の龍山へ移転し開館したのが2005年10月28日のこと。博物館建物も大変特徴的で、博物館の屋外は公園のように広く整備されている。
韓国最大の博物館と呼ばれるほどの規模を誇る国立中央博物館は地下1階、地上6階に常設展示室、特別展示室、文化芸術体験空間である劇場「“龍”(YONG)」などの便宜施設までを備えていて、18個もの展示室では13万5000余点の所蔵遺物の中で5000余点を常設展示している。
旧石器時代から渤海に至るまで先史時代及び古代の遺物を展示している考古館、韓国の高麗時代から朝鮮時代の資料の中でも特にハングルと金属活字をはじめ、文書・地図などを展示していて韓国の時代や文化を一目で見られる歴史館、韓国伝統芸術の美と宗教美が鑑賞できる美術館、中国、日本、中央アジアなどの文化財が展示されていてアジア各国の多様な文化に対して理解を深めているアジア館など、見応えのある内容で構成されている。
特に、ロビーに建てられている「敬天寺十層石塔」は敬天寺(高麗時代のものと推定)にあった塔を無断搬出した日本から返還してもらい、1960年に景福宮に写し建てたものを、現在の国立中央博物館へ移転したもの。その塔を目の前にするとその規模に圧倒される。
国立中央博物館の展示案内
常設展
世界文化における韓国文化の特性を国内外の観覧客が容易に理解でき、さらに楽しめるように多様な展示技法を活用し、先端展示案内システムが構築されている。
中世・近世館
中世・近世館は統一新羅、渤海、高麗、朝鮮時代の歴史文化遺産が分かりやすいように区分されて展示されている。当時の歴史財を観光客に理解しやすく、そして興味をそそるような展示技法で展示されている。
書画館
書画館では書芸、絵画、仏教絵画など線と色彩が十分に発揮された韓国伝統芸術の美しさと宗教美が鑑賞できる。4つの展示室に作品890点が展示されており、特に仏教絵画室では9mを超える野外儀式用仏画を展示している。
アジア館
アジア館ではアジア文化の共通点と多様性を理解し、アジア各国文化圏の特徴を把握することが出来る。特に中央アジア室では東西文化が融合形成され、独特のシルクロード文化に接することが出来る。6つの展示室に約970点に及ぶ作品が展示されている。
寄贈館
寄贈館では個人の所蔵物から寄贈された、人類の伝統文化の伝承に寄与する方々の尊い重いが込められた1000点の作品が紹介されている。韓国のみならず各国の多様な文化が鑑賞出来る寄贈館は、すべてが11つの展示室から構成されている。
歴史の道
博物館内の展示室は歴史の道を中心として左右両側にそれぞれ3階建ての展示室構成になっていて、中央にある歴史の道は吹き抜けでガラス屋根になっている。自然光が差し込むので大変明るい。歴史の道からは博物館の規模の大きさが分かる。
特別展
間ごとにそれぞれのテーマに基づいて様々な展示が行われている。
子供博物館
子供たちが目で見て、手で触って、心で感じる体験式の展示空間。子供博物館では毎月最後の水曜日のみ夜間開館を行っている。
野外博物館
石塔、僧塔、石碑など様々な韓国の石造文化財が野外に展示されている。また朝鮮時代の代表的な鐘である普信閣(宝物2号)もある。
複合文化空間
多様な食事を楽しめるレストランと、窓から博物館屋外の景色が楽しめるカフェ、ミュージカル・クラシック・ダンス・演劇などの多彩な公演が行われる劇場“龍”、美術関連書籍・芸術作品・工芸品などが販売されるミュージアムショップ、コンビニエンスストアなどが整っている。
国立中央博物館(韓国語국립중앙박물관) | |
住所 | (日本語)ソウル特別市 龍山区 西氷庫路135 (韓国語)서울특별시 용산구 서빙고로135 |
電話番号 | 02-2077-9000 |
運営時間 | 火・木・金曜日:09:00~18:00 水・土曜日:09:00~21:00 日曜・祝日:09:00~19:00 ※毎週 水・土曜日18:00~21:00(3時間延長)の夜間開館を行っている ただし、子供博物館は毎月最終週の水曜日のみ夜間開館(入場時間18:00~19:30) |
休館日 | 毎週月曜日、毎年1月1日(ただし月曜日が祝日、休日となる場合は開館し、翌火曜日が休館) |
観覧料 | 現在、常設展、子供博物館(特別・企画展示は除く)は無料観覧実施中、ただしチケット売場にて無料チケットを受け取る |
日本語 | ・日本語パンフレットあり ・音声ガイド・・・常設展示館に展示されている所蔵品の説明は、映像・音声案機貸出あり、 レンタル料:映像案内3,000ウォン、音声案内1,000ウォン(14歳以上からの貸出、貸出の際には身分証が必要) ・展示解説プログラム・・・予約により展示解説専門スタッフが説明 (日本語:平日1回09:30~10:30、週末2回10:30~11:30、14:30~15:30) |
ホームページ | http://www.museum.go.kr/JpMain.do(日本語) |