大韓民国の国家を象徴とする旗は太極旗(テグッキ)と呼ばれている。白地に赤と青で描く円、そしてその円の周りの端に4つの意味を持つ黒い3列の線「卦(け)」が配置されている。一見同じような線に見えるが、それぞれ違った形をしており、一つ一つに細かい意味がある。ただし実際に書いて見ると間違え易いのが特徴である。
太極旗(テグッキ)の誕生・歴史
【太極旗】という言葉が出てきたのは、1919年3月1日民族代表33人が中心となり独立運動をした日である。
18世紀末期の朝鮮王朝は、官吏(かんり)の党争と不正不敗の原因によって国の状態が弱くなっていた。その機会を狙っていた日本は1910年朝鮮王朝を奪った。これに激怒した朝鮮王朝の民族は死に耐え忍び、独立運動を行なった。
1910年韓国併合によって大韓帝国が消滅し、大日本帝国の朝鮮支配が始まる。民族の抵抗が次第に高まる中、大韓帝国初代皇帝高宗の死によって大規模な独立運動が計画された。
1919年3月1日正午にソウル統一公園にて独立宣言文を朗読し、全国的に大韓独立万歳運動を広げた。 そして、「朝鮮国旗」と呼ばれていた国旗の名前を日本に分かられないようにする為に「太極旗(テグッキ)」という名前に変えたのである。
太極旗の由来
1882年(高宗19) 朴英鎬(パク・ヨンホ)が日本に修信使として行く途中の船の中で考案創製し、 1883年に正式に国旗として公布された。 1949年 3月25日文教部で審議委員会を設置し、陰陽と四卦の配置案を決定した。 しかし太極旗は朴英鎬(パク・ヨンホ)の純粋な創作ではなく、高麗以前から伝わって来た民族の固有図案であったという説や、さまざまな由来がある。
太極旗(テグッキ)の意味
- 太極旗の白地は明るさと純粋さ、そして古くから伝統として平和を愛する韓国の民族性を表している。
- 中央の円の図案は「太極文様」で描かれている。 そして「太極」は、「宇宙」の万物の根源を意味している。全てのものが一つにまとまることが表される。
- 太極文様の赤色は「陽」を表し、青色は「陰」を表している。これらの陰と陽の調和を象徴する事で宇宙の万物が陰陽の相互作用によって生成して発展するという大自然の心理を形象化したものである。
4つの四卦の意味
四卦とは、それぞれ自然の象徴として表されている。
天、春、東、仁の意味を持ち、旗の左側に配置される。
地、夏、西、義の意味を持ち、旗の右側の下部に配置される。
月、冬、北、知の意味を持ち、旗の右側の上部に配置される。
日、秋、南、礼の意味を持ち、旗の左側の下部に配置される。
乾(コン)坤(ゴン)陽卦(ヤンケ)を構える事は国運も天地と供に 「永遠無窮にしよう」という無窮の精神を表現している。
坎(カム)離(リ)陽卦(ヤンケ)を構える事でいつでも 「‘月’と‘日’と供に永遠たる輝く国になろう」という光明の精神を表現されている。
上記で説明した太極の周りを囲むように位置する四卦は陰と陽が互いに変化して発展し、対立しながらのバランスをとっている姿を形象化し表したものである。
このように太極旗は、昔の先祖達の生活の中で使われた太極文様を中心に作られた事から、宇宙と供に果てしない創造と繁栄を希望する韓国民族の理想を表現している。 そしてこの太極旗の精神と意味を受け継ぎ、民族の和合と統一を成し、人類の幸福と平和への貢献を目指す事が太極旗に刻まれた意味なのである。