みなさんこんにちは
今週のソウルは、雨の多い不安定な気候の一週間となりました。
気温も下がり、特に朝晩は涼しさを感じます。
記録的な暑さとなった今年の夏ももうすぐ終わるのでしょうか。
今回は、奉恩寺(봉은사/ポンウンサ)をご紹介します。
高層ビルが立ち並び、高級住宅地としても知られる江南にあり、展示場やショッピングモールで知られるCOEXの北側に位置しています。
大規模なお寺として、各地から多くの人々がお参りに訪れています。
奉恩寺は、大韓仏教曹渓寺の末寺で、新羅時代(794年)の縁会国師によって創建されたと伝わっています。
当時は見性寺(견성사/キョンソンサ)と呼ばれましたが、1498年の朝鮮王朝第9代国王の成宗の後妻である貞顕王后が、成宗の陵の東にあったこのお寺を拡充しながら奉恩寺の名前に替えられたました。
歴史の中では、科挙の僧科試験も行なわれたところになります。
1939年の大火災によって大部分の建物が焼失したため、建物の多くはその後再建されたものとなります。
大都会の中心にある、1200年以上の歴史を持つお寺となっています。
広大な敷地には数多くのお堂が建ち、美しい自然の姿も感じられます。
お寺の参道にある真如門は、「物事のありのままの姿」として平等で差別がない絶対の真理を意味しています。
門の両側には、ソウル市有形文化財に指定されている四天王が安置されています。他のお寺に比べて、小さな四天王像は、恐ろしい姿ではなく、威厳を持ちながらも穏やかな表情をしているのが特徴的です。
参道の途中には、立派な業績を残した高僧たちの舎利を祀った仏塔、塔碑などがあります。
参道を進むと、大雄殿と向かい合う法王樓があります。
「仏がいる場所」という意味の法王樓には、観世音菩薩が奉られ、大法会や祈祷、修行が行なわれています。
大雄殿の前には、たくさんの提灯が飾られていました。
境内の中心にある大雄殿の中央には釈迦仏が本尊として奉られ、左右には阿弥陀仏と薬師如来仏が安置されています。
大雄殿の建物からは、韓国の伝統的な木造建築様式の美しさが感じられます。
色鮮やかな装飾もすばらしいです。
そして、大雄殿の周りにもたくさんのお堂が建てられています。
大雄殿の後ろの山を登っていくと、江南の都会の街並みが見渡せます。
境内の奥には、高さ23mある韓国最大の弥勒大仏が安置されています。
1996年に建立され、石材は弥勒信仰の中心地であった全羅南道益山市から移送されました。
弥勒大仏の前には弥勒殿の建物があり、門の天井部分の装飾も大変美しいです。
そして、弥勒大仏の近くには奉恩寺の中で最も古い建物の板殿があります。ソウル市有形文化財に指定されている板殿には、『華厳経疏』をはじめとする3,438点の経板木を安置しています。
法王樓の隣には鐘樓の建物があります。梵鍾、法鼓、雲板、木魚という四物が奉安されていて、早朝や夕方の礼仏を始める際に鳴らされています。歴史を感じる梵鍾閣の建物もあります。
毎年5月には釈迦誕生日をお祝いする行事が各地で行なわれますが、奉恩寺では“伝統燈展示会”が行なわれ、仏教に関するさまざまなモチーフの提灯が飾られます。
大小さまざまな提灯には、健康、長寿、豊作などの意味が込められています。
優しい光の灯る提灯は大変きれいです。
特にこの時期には仏教信者に関わらず、多くの人々が訪れます。
奉恩寺は大都会に位置していますが、境内は緑に溢れ、都会とは思えない静けさが漂っています。
境内には多くの仏教信者はもちろん、外国人観光客の姿も多いです。
さまざまな体験プログラムで韓国の仏教文化に触れる、外国人向けの案内やテンプルステイも行なわれています。
入口近くの案内所には、日本語を含めた外国語のパンフレットがありました。
都会に佇む古刹を、ゆっくりと拝観するのもいいですね。
韓国旅行へお越しの際は、韓国のお寺にも行ってみてください。