作品紹介天性の嗅覚を持ったキム・タックが、製パン業界の一人者として生まれ変わるまでの過程をテーマにした『製パン王 キム・タック』。
この世の中には持っている人とそうではない人がいる。愛することを知っている人とそうではない人がいる。幸せな人とそうではない人がいる。感謝する人とそうではない人がいる。一つしか持っていなくてもすべてを手に入れたと考える人と、数多くのものを手に入れても感謝することができない人もいる。物質というのは、飲めば飲むほど、さらに喉が渇く海水と同じようなものである。しかし、人々はそれでも自分自身の幸福指数を、物質的なものが多いか少ないかを基準に判断している。そのことで私達の生活はますます疲れ、疲れ果てて虚しくなる。夢を見る幸せの中で、物質と所有だけがあり、自分自身がいないためである。
それでも、私達が生きてきた時代の中で、ある一時にはお金よりも人情や義理、友情、愛のようなものの方が価値があり、さらに美しいと思える時期があった。このドラマではまさにこのような大切な幸せを信じて生きてきた人々の話が表現されている。物質的なものよりも、仁義や情などを守り、事必帰正(万事は必ず正しきに帰する)を信じて、自分自身の夢を大切にしながら、自分自身の幸せを探し求める人々が、結局は明日の幸福を得ることができるということを視聴者に伝えている。
『明日に向かってハイキック』でデビューした新人ユン・シユンを一躍スターとして伸し上げた『製パン王 キム・タック』は、2010年KBS年末授賞式で各賞を総なめにし、高い人気を獲得した。50.8%という驚異的な視聴率に見られるように国民的ドラマとして、老若男女に関係なく多くの人々が、波乱万丈なキム・タックの人生に泣いたり笑ったりたくさんの感動を与える作品となった。ドラマの高い人気によってドラマロケ地が話題になると共に、“キム・タックパン”も飛ぶように売れ、「キム・タックブーム」までも引き起こした。
作品名 | 製パン王 キム・タック |
出演 | ユン・シユン、ユジン、チュウォン、イ・ヨンア |
放送期間 | 2010、06、09~2010、09、16 |
放送局 | KBS |
監督 | イ・ジョンソプ |
脚本 | カン・ウンギョン |
あらすじコソン食品のク・イルチュン会長(チョン・グァンリョル)と妻ソ・インスク(チョン・インファ)の間には、後継者となる息子ができずにいた。ソ・インスクは姑のホン女史(チョン・へソン)から冷たい態度で扱われる。そんな問題のある中、会長と使用人の間にキム・タック(ユン・シユン)が生まれる。もちろんこの事実に怒り狂う妻は、コソン食品の社長室長であり不倫相手でもあるハン・スンジェ(チョン・ソンモ)との間に念願の男児を身籠る。
大手製パン会社社長の息子として生を受けたタックだが、会長の妻から危害を加えられることを恐れて母と共に身を隠す。タックは運命に翻弄され私生児となり、母と2人で貧しい環境でありながらも前向きに育つ。
その後、父との偶然の再会がきっかけで、一旦母と別れ父の元に戻されるが相続問題でタックを敵視する者たちに追い出される。そして、目の前で母親をさらわれ、母の捜索のために一人生きて行くことを決心する。父親の遺伝子を受け継ぎパンが大好きな驚異的な嗅覚を持ち、母を捜しながら生きて行く中で、製パンの世界で師匠に出会い、パン作りの才能を見出され、頭角を現していく。
パン職人の道を歩み始めたタックは、持ち前の常に前向きで絶対にあきらめない性格を武器に、周囲の人間を惹き付け仲間を増やしながら、成長し幸せを掴んで行く。しかし、義弟として育ったク・マジュン(チュウォン)との相続問題、タックを嫉妬するマジュンとの確執、幼馴染シン・ユギョン(ユジン)との恋、師匠の娘ヤン・ミスン(イ・ヨンア)の愛、さまざまな出会いと別れ、手に汗握る陰謀との戦いや賭け引きが繰り広げられる。タックの成長と活躍、さまざまな愛のかたちが描かれている。
登場人物• キム・タック(ユン・シユン)
コソン食品の会長ク・イルチュンの長男。
田舎者で単純な性格である。一度正しいと入力されたことは、永遠に変わることがない。素直さと正直さで人を感動させる、善良な魅力を持っている。
一度でも彼の真心に触れた人なら、彼の見方になることしかできない。このような心で人を掴む力があり、まさに生まれ持った運命と同じような力である。
紆余曲折の末、コソングループの長男として家に入るが、陰謀によって結局は追い出される。下積みからあらゆる逆境と試練に勝ち抜きながら、開城商人の末裔であり製パン業界で隠れた偉大なる父・パルボン先生から、製パン職人の道と商人の道を伝授される。
製パン者として持って生まれた嗅覚と善良な心を土台に、名実共に生まれ変わった、人間経営を繰り広げて行く。
• シン・ユギョン(ユジン)
タックの初恋相手。
幼い頃に極度の貧しさと絶え間ない暴力に苦しんで育ったが、タックと出会ってから初めて笑うことを覚えた。
タックがコソン家の長男として家に入ったことで、胸の痛い別れを経験したが、12年ぶりにタックと再会し、タックとの愛を育んでいく。
ところが、それはやはりお金と権力の前では何の意味もないという事実を悟ることになる。その後、タックを裏切ってお金と出世のためになら何でもするという野心で溢れ、冷たい女性になってしまう。
心からタックを愛していたが、タックを利用しながらタックに取り返しのつかない傷を与え始める。
• ヤン・ミスン(イ・ヨンア)
パルボン先生のたった一人の孫娘として、絶対味覚と絶対的な手の感覚を受け継いで、5歳の時からパンを作り続けているパンの神童。
現在は、田舎の町外れにある製パン屋で働いているが、華やかなパリのブランジェを夢見て、ヤン・ミスン印の生クリームケーキの開発に熱を上げているところである。
製パンを続けているだけあって、プライドが高く自信感が溢れる彼女の前に、キム・タックが現れたことで、パンを作る胸のときめきを知るようになった。
これが、タックに対する恋の始まりだということに気付いてない。
• ク・マジュン(チュウォン)
コソン家の次男としてコソン食品の後継者である。
後継者としての優越意識が甚だしく大きい。
トゲトゲしていて、気難しく、世の中で自分自身が最も優れていると考えている。
誰にでも負けることは決して耐えることができない。
手に入れたいものがあれば、手段や方法を選ばずに勝ち取るが、自分の物になった瞬間にすぐさま嫌気が差して投げ捨てるスタイル。
父親のク・イルチュンにそっくりなタックに我慢ならない被害意識を抱えて、パンを習うことを決心し、タックと競争するが限界にぶつかる。
どうにかして彼を踏みつけたいという気持ちで、最後までタックを不幸に追い込むが、自らも結局は破滅へと追い込まれる。
残忍ではあるが、悲しい悪役である。
主なロケ地• スアムコル
忠清北道(チュンチョンプクド)清州(チョンジュ)市にあるスアムコル(寿岩村)は、朝鮮戦争時に避難民が集まって住み始めた集落である。2007年の公共美術プロジェクトによって、家々が立ち並ぶ路地の壁や階段に、個性溢れるさまざまな絵が描かれ“壁画村”と呼ばれるようになった。ドラマ「カインとアベル」にも登場し話題となった場所である。「製パン王 キム・タック」でも背景として登場している。
• パルボン製パン店
忠清北道(チュンチョンプクド)清州(チョンジュ)市にあるパルボン製パン店は、工芸ギャラリーであった場所をリモデリングして建てられた。ドラマの中では、キム・タックが製パン士として成長していく舞台となった所である。ドラマの撮影後にもオープンセットとして公開されるようになった。1階はパルボン製パン店、2階はコーヒーショップとなっている。多くのドラマファンが訪れるとともにに、2階にあるコーヒーショップからは清州市内の景色を見渡すことができる。
• 雲甫の家
韓国の人気画家である故・雲甫(キム・ギチャン)画伯が老後を過ごした場所である。
雲甫は、視覚障害がありながらも独自の世界を表現し、韓国を代表する画家として活躍した。伝統韓屋を中心に雲甫の作品を展示する雲甫美術館や工房、盆栽・蘭展示場、彫刻公園などの施設が整備されている。ドラマの中では、タックの母親の家として登場する。
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