みなさんこんにちは
今週も蒸し暑い日が続きました。
ソウルでも梅雨入りが間近と言われています。
6月も残すところ2日となりました。今年もすでに半年が過ぎようとしています。
今回は、緑が美しい貞洞通り(정동길/チョンドンキル)をご紹介します。
ソウル市庁前広場の近くに位置する徳寿宮から、NANTA江北貞洞劇場のある京郷新聞社の建物まで続く道です。
直線の道ではなく、曲がりくねった道には他の通りでは感じられない独特の赴きがあります。
この通りの一部は、徳寿宮トルダムキル(덕수궁돌담길)としても知られています。
トルダムキルは、“石垣通り”という意味です。
ビルが立ち並ぶ都心の中にありますが、徳寿宮の石垣が美しい景観をつくりだしています。
広々とした歩道が整備され、都会のオアシスともいわれる徳寿宮の木々や歩道の街路樹が、よりトルダムキルを美しく演出しています。
訪れるたびに四季折々の違った美しさが感じられます。
このトルダムキルは、デートスポットとしても知られています。
韓国ドラマのロケ地ともなるほど、ロマンチックな雰囲気が感じられます。
しかしながら、“トルダムキルにカップルで訪れると別れる”というジンクスもあるそうです。
貞洞通り付近には、ソウル市立美術館や数々の歴史的建造物があります。
韓国の歴史や文化だけではなく、歴史の中の異国文化を感じることができます。
トルダムキル沿いの歩道には、さまざまな形をしたアートベンチが設置されています。
歴史的な建造物と現代アートが共存しています。
この時期は、生き生きとした緑が美しいです。街路樹によって木陰ができ、木々の間を通り抜ける風が心地よいです。
トルダムキルは、ソウルの中でも“美しい道”の一つに数えられます。
トルダムキルを抜けると貞洞第一教会があります。1897年にアメリカの宣教師アペンゼラーによって建てられた、韓国最初のプロテスタント教会です。
歴史を感じる赤レンガの建物は、アメリカ式のゴシック様式といわれています。
ドアや窓の装飾、四角の鐘塔が特徴的ともなっています。史跡第256号に指定されています。
日本統治時代には独立運動の活動が行なわれた、歴史的舞台となったところでもあります。
ソウル市立美術館前の噴水広場からも美しい教会が見渡せ、週末には結婚式も行われていました。
トルダムキルを越えて、さらに貞洞通りを進み路地を曲がると重明殿が見えてきます。
元々は徳寿宮の敷地内にあった建物です。ロシアの建築家によって設計され、1897年に皇室図書館として建てられました。
1904年に徳寿宮が火災にあった後には、朝鮮王朝第26代王(大韓帝国初代皇帝)の高宗の執務室や外国使節の謁見室として使用されていました。韓国の外交権が日本に奪われた第二次日韓協約が締結されたところでもあります。
2010年に復元工事が行なわれ一般公開されるようになりました。
ソウル市立美術館の近くには、培材学堂歴史博物館があります。
現在は大田広域市に培材大学校があり、多くの著名人が学んだ学堂としても知られています。
培材学堂は、朝鮮最初の近代教育機関で、貞洞第一教会と同じくアメリカの宣教師アペンゼラーによって建てられました。
こちらも同じく赤レンガの美しい建物となっています。
現在の博物館施設は、培材学堂の東館として使われたところになり、内部には教室が再現されていたり、さまざまな資料が展示されています。
貞洞通りには、画家が絵を描きながら絵画を並べていたり、屋台や露天などもでていました。カフェや小さな食堂もあります。
トルダムキルを越えてもきれいな並木道が続いています。
都会の中心にありながらも、貞洞通りには静けさが感じられます。
韓国の歴史を見つめてきた場所でもあり、日本統治時代の歴史が刻まれた場所でもあります。
韓国と日本の歴史を学ぶ上でも、重要な場所です。
NANTA江北貞洞劇場が見えてくると、慶熙宮、ソウル歴史博物館、西大門駅に続く大きな通りに繋がっています。
韓国旅行へお越しの際は、ゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。