ソン・スンホンはレストラン、ソ・ジソブはカフェ

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「ソン・スンホンのレストランでランチを食べて、ソ・ジソブのカフェでコーヒーを飲んで、小腹がすいたらトニー・アンの店へ…」。最近、20-30代の若者層に人気の「スターを100倍楽しむ方法」だ。

 憧れのスターたちが何を食べ、何を着ているのかをチェックし、そっくりまねる消費者が増えている。消費市場における「スターのパワー」が威力を発揮し、芸能界・スポーツ界のスターを前面に押し出した新しいフランチャイズ・ビジネスが続々と登場している。しかも、イメージキャラクターなどの「雇われ店主」ではなく、自ら店舗を経営・管理する投資家として活躍している。

 コーヒー専門チェーン「カフェ・ベネ」は先月22日、イタリアンレストランのフランチャイズ「ブラック・スミス」1号店として「ソウル新沙駅店」をオープンした。店主は俳優ソン・スンホンだ。ソン・スンホンが自ら店に顔を出し、メニューの管理も行っているということで、特にPRしていないにもかかわらずインターネットの掲示板やブログで口コミが広がっている。

 ブラック・スミスは「ソン・スンホンが経営するレストラン」として評判になり、カフェ・ベネが直営しているソウル江南駅店(271平方メートル)も、今年のクリスマス・シーズンは1日で1760万ウォン(約120万円)を売り上げた。これは、同規模の店舗の2倍を上回る売り上げだ。トップスターが直接投資したことで消費者の信頼が高まった例と言えるだろう。

 外食サービス企業「CJフードビル」のカフェ「トゥー・サム・プレイス」のソウル狎鴎亭店「トゥー・サム・プレイスby51k」は、俳優ソ・ジソブが経営しているお店だ。彼が考案した「サケラト・バニラ・ラテ」は「ソ・ジソブ・コーヒー」とも呼ばれ、全国の「トゥー・サム・プレイス」約200店で先月売り上げ1位のヒット商品になった。また、同じく彼が考案した「ゆず生姜茶」も全店舗売り上げベスト商品になるほどの人気だ。CJフードビルのキム・ムジョン部長は「芸能人のイメージだけを提供するのではなく、直接アイデアを出してもらい、自ら経営を手掛ける実業家としての面をアピールすることで、消費者の反応もいい」と話している。

 韓国フランチャイズ協会によると、国内のフランチャイズ市場規模は今年95兆ウォン(約6兆4000億円)を上回るものと予想されている。同協会に登録された業者数も2700社に達し、店舗数はすでに30万店を超えた。加盟本社の競争も激さを増す一方で、イメージの差別化を図るためスター獲得合戦が繰り広げられている。

 その一方で、アフターケアの重要性も増している。その典型的な例が、1991年にオープンした米国のレストラン「プラネット・ハリウッド」だ。ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガーら超特級スターたちが投資し一時は人気を集めたが、8年で破たんした。英日刊紙テレグラフは、「スターを利用したテーマ・カフェは、その知名度で事業を急速に拡大できるが、料理などの管理・ケアが不十分になれば観光客くらいしか来ない古い遊園地に成り下がってしまう」と分析している。

 中央大学のカン・ビョンオ兼任教授(起業学博士)は「知名度を急速に上げ、競争力を高めるという点では、スター・マーケティングの効果は立証済み」としながらも「スターのイメージが下がればブランドのイメージも同時に下がることを念頭に置いておかなければならない」と話している。

崔宝允(チェ・ボユン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版