朱蒙(チュモン)

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作品紹介2005年<私の名前はキム・サムスン>以後、50%以上の視聴率を記録し、国民ドラマという称号を得た[朱蒙]は、高句麗を背景とした初のドラマだ。韓国の歴史上、進取的な気性が最も高く、広い領土を統治した高句麗を素材とし、国民に民族の自負心を刻んだと評価されている。 高い視聴率を記録しただけあって、様々な話題を呼んだ<朱蒙>は、朱蒙式リーダーシップ、召西奴式リーダーシップというタイトルで各キャラクターの性格を現実に当てはめた新しい指導者象を作り出した。当初60部作として企画されたドラマは、高い視聴率に応えるかのごとく21部延長した81部作としてその幕が下ろされた。 「私が朱蒙を演じながら感じたやりがいと言えば・・・、朱蒙の視聴者の皆さんに愛されただけ様々な意見も多くありましたが、視聴者の皆さんがわが国の高句麗の歴史について、そしてわが国の古代史について感心を持たれたことだけでも大きなやりがいではなかったかと思います。今、現在もなされている古代史の歴史歪曲を正すことに少しでも役に立てるとすれば、そこに大きな意味があるのではないかと思います(2006年12月30日MBC演技大賞にて)」というソン・イルグクの言葉から、俳優がどのような心構えでドラマの制作に臨んだのか、そして視聴者がどんな視角から<朱蒙>を見守っていたのかが想像できる。<朱蒙>はドラマだ。虚構の世界を遊泳するフィクション…。しかしいつの間にか画面を離れて現実との接点を探し始めたのだが、それが<朱蒙>制作スタッフの北朝鮮訪問だった。高句麗の痕跡を求めて平壌を訪問、朱蒙の墓である東明王陵と高句麗古墳などを見て回り、感慨に耽った<朱蒙>の主要出演者の姿から、たとえドラマではあってもそれが現実で生きていることを示すものだった。

作品名朱蒙(チュモン)
出演ソン・イルグク、 ハン・ヘジン、チョン・グァンリョル、ホ・ジュノ、キム・スンス、オ・ヨンス 
放送期間 2006年5月15日~2007年3月6日(毎週月・火曜、全81話)
放送局MBC 
監督イ・ジュファン、キム・グノン 
脚本チェ・ワンギュ、チョン・ヒョンス 

あらすじ多勿族の解慕漱(ヘモス)と河伯(ハベク)の娘の柳花(ユファ)夫人の間に生まれた主人公[朱蒙]は父親を裏切った金蛙の息子として育つ。

弓の腕前が飛びぬけていたことから周りから朱蒙と呼ばれたが、幼い頃からずば抜けた才能を持っていた朱蒙を扶余の王子である帯素(デソ)が妬んでいたことから、柳花夫人は朱蒙に雑役を命じてその優れた能力を隠させた。
しかし、成人して危機を感じた帯素は部下に朱蒙を殺させることを企てた。朱蒙は権力の暗闘から退き、古朝鮮の流民を糾合して召西奴の助けで高句麗を建国する。

登場人物• ソン・イルグク(チュモン役)

古朝鮮の英雄・解慕漱(ヘモス)と柳花(ユファ)の間の子供として生まれたが、実父ヘモスの親友で扶余(プヨ)の王、金蛙(クムワ)の息子として育てられる。武芸を習うため知り合ったムソンが警備していた秘密牢獄で実父とは知らずにヘモスと出会い、武芸を教わりが自分の父とも知らずに死別。扶余で様々な陰謀に巻き込まれた彼は、扶余を脱出し、ヘモスの意志を継ぎ多勿軍を率いる。ソソノ達卒本と手を組み高句麗(コグリョ)を建国し初代大王となる。

• ハン・ヘジン(ソソノ役)
大商団を率いる君長ヨンタバル(延陀勃)の聡明な娘。
時代を見通す賢い女性だが、女性という立場から自分の力を思うように発揮できない。扶余の王子であるテソからの熱烈な求婚を断り、死を恐れない勇気と大胆さを持つ朱蒙に惹かれ、肩入れし彼に対して友好的な立場を取る。後に韓民族最初の女王となり、 百済(ペクチェ)始祖・温祚王の母としても有名。

• チョン・グァンリョル(金蛙役)
扶余の王で朱蒙の義父。権力への執着心が強い。
深い友情で結ばれたヘモスとともに漢の国に対抗したが、結局漢の国に屈服して解慕漱を裏切る。解慕漱の恋人であった柳花をひそかに慕って王宮に迎え、2人の間で生まれた子である朱蒙を愛憎と罪責感の中で育てる。後に王位をテソに譲渡し、自らは扶余の宮殿に別れを告げ、民達と共に生きる決心をするものの、漢の刺客の襲撃により傷を負い。

• オ・ヨンス(ユファ役)
誰もが一目ぼれするほどの美しさを持つ河伯君長の娘。
戦闘で大けがを負ったヘモスを介抱し、匿った罪で河泊族が漢群から皆殺しされるという悲劇を経験する。ヘモスの戦死の悲しみの中、解慕漱との間に子供を授かりチュモンを出産する。 やがて自分を愛してくれる金蛙の妻になってチュモンを育っていく。

• ホ・ジュノ(解慕漱)
悲劇の英雄
古朝鮮の滅亡後、流民を助けた韓民族の英雄。兄弟より信じた金蛙(グムワ)に裏切られる。愛した妻柳化(ユファ)との間で生まれた息子朱蒙に気づくことができないまま師匠として武芸を教える。そして親子の情を分かち合えないまま命を落とす。

主なロケ地• 三韓志テーマパーク

全羅南道羅州(ナジュ)にある三韓志(サマンジ)テーマパークは、朱蒙に登場する扶余宮、武器製造所、市場など扶余の町並みが撮影された所。朝鮮半島の三国時代(紀元前1世紀〜紀元後7世紀あたりに 高句麗、百済、新羅の三国が成立していた時代 )を背景として作られ、その以外に三国時代を背景とした韓流スターヨン様主演のドラマ「太王四神記」の撮影もここで行われた。
約4万5千坪の敷地に大規模なセット場になるここは、周辺の美しい自然と調和して、一段と素晴らしい風景となっている。