韓国の国語

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大韓民国ではハングル(한글)という文字が用いられている。子音、母音があり、組み合わされることで一つの文字になる。日本語の文章を組み立てる時の語順とほとんど似ている為、日本人が韓国語を勉強する際には、とても簡単で覚え易い。また、昔は漢字を多く用いていたので、ハングルと併用して漢字が用いられる場合もある。 また、ハングルは1997年10月1日にユネスコ世界記録遺産として指定されている文字である。

韓国民族は固有の文字がなく、三国時代から中国の漢字を取り入れて用いた。
しかし、漢字は字数が多く、難しいだけではなく、韓国人の言葉とは合わなかった。また、一般民たちが使うのに不適切であった。
そして新羅時代には漢字の音と意味を用いて文字を作ったが、完全に使うことができなく不便であった。

ハングル文字の必要性を感じた朝鮮王朝の第4代国王・世宗大王は長い間研究を繰り返し、1446年遂にハングル文字を完成させた。当時は訓民正音(フンミンジョンウム)と呼ばれた。略して「正音」とも呼ばれる。訓民正音とは、「民を訓(おし)える正しい音」という意味である。世宗大王は漢字に代わる文字としてハングルを創製したのではなく、漢字の学習が困難な庶民、特に女性や子供のために創り出した。
しかし訓民正音は、両班(ヤンバン)達によって諺文(オンムン)、反切(バンジョル)、*アムグル(암글)、カギャグル(가갸글)、国文などの卑称で呼ばれていた。漢字は正統な文字であるが、ハングルは卑俗の文字であるとされた。上流階級の者たちにとっては、一般庶民が読み書きが出来るようになると都合が悪かった為、ハングルの普及に反対していた。
しかし一般民達の間では、根気良く使われ、朝鮮語と呼ばれるようになり、国語学者の周時經によってハングルと呼ばれ始めた。ハングルと言うのは「韓民族の文字」、「世界で一番すぐれた文字」、「大きくて正しい文字」という意味を持っている。

*諺文(オンムン)-本来「諺」は俗語の意味を持ち、「俗語の文字」という意味になる。植民地時代までこの呼称が用いられた。
*反切(バンジョル)-ハングルの構造が、2つの組み合わせによって作られる事から反切(バンジョル)と呼ばれていた。
「訓民正音」が子音、母音の組み合わせによって、一つの文字が作られる事が由来している。
*アムグル-女性語を指す言葉である。

ハングルは一つ一つの文字が音節を表す文字体系であるが、子音と母音を組み合わせる事で一つの文字になる。 基本子音は14個(ㄱㄴㄷㄹㅁㅂㅅㅇㅈㅊㅋㅌㅍㅎ)、合成子音が5個(ㄲㄸㅃㅆㅉ)で子音は合わせて19個ある。 基本母音は10個(ㅏㅑㅓㅕㅗㅛㅜㅠㅡㅣ)、合成母音は11個(ㅐㅒㅔㅖㅘㅙㅚㅝㅞㅟㅢ)で計21個である。 このような子音と母音を組み合わせる事で、一つの文字が完成される。音節頭の子音を初声、母音を中声、音節末にくる子音を終音又はパッチムなどと呼ぶ。

ハングルの起源については様々な説がある。成三問(ソンサムムン)などの言語学学者達を世界各地に送り調査した後、ハングルが作られた。 ハングルの構成法、形などからウイグル文字、インド言語、契丹文字から影響を受けたという説もある。 また、各文字の音を発したときの舌の動きや、唇の動きによって作られたという説もある。

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