茶礼に準備されるお供え物

発行日

Categories:

みなさんこんにちは。

ソウルはお正月連休に気温が急激に下がり、今週も氷点下が続いています。
韓国では火曜日までがお正月連休だったため、今週は週末になるのが早く感じますね。

今回は、旧正月には欠かせない料理の一つであるジョン(전)をご紹介します。
ジョン(전)は、小麦粉と玉子の衣を被せた肉、魚、野菜などを、油をひいた鉄板やフライパンで焼いた料理の総称です。

日本でも広く知られている韓国料理のチヂミ(지짐이)にも似ています。
チヂミは韓国の方言の一つで、鉄板焼き、焼き物などの意味があります。
一般的には、同じように油で焼いたものをの意味するブッチムゲ(부침개)やジョン(전)と呼ばれることが多いです。
代表的なものに、パジョン(ネギチヂミ)、ヘムルジョン(海鮮チヂミ)、キムチジョン(キムチチヂミ)などがあります。

ジョンは、韓国の旧正月や大きな行事の際には欠かせない料理の一つであり、
旧正月の朝に行なわれる茶礼(차례/チャレ)のお供え物として準備されます。
茶礼は、先祖に新しい年を迎えられたことを感謝し、子孫の繁栄や健康をお祈りする大切な儀式です。

ジョンと言ってもいろいろな種類のものが作られます。
また家族や親戚が多く集まる家では、大量のジョンを作ります。

こちらは、コチジョン(꼬치전)と呼ばれるものです。
コチは串という意味があります。
いろいろな材料を串に刺して焼くことから、この名前が付いています。

buchimgae120127_1

家庭によって食材の種類は違いますが、牛肉、ハム、カニカマ、ネギ、しめじなど、色とりどりの材料が準備されます。

buchimgae120127_2

同じぐらいの大きさと長さに揃えて、串に刺していきます。
色合いがとってもきれいなジョンです。

buchimgae120127_3

こちらはトングランテン(동그랑땡)と呼ばれものです。
ミンチ状の肉に野菜や豆腐、香辛料などを混ぜて、円く形作り衣を付けて焼いたものです

buchimgae120127_4

旧正月の前から準備を始め、いろいろなお供え物の料理が作られます。
そのため、各家々はお正月準備で大変忙しくなります。
いろいろな食材を用いて心を込めて作られたジョンは、先祖への感謝と、
今年一年も豊かに幸せに暮らせますようにという願いも込められています。

buchimgae120127_5
buchimgae120127_6

 

茶礼が行なわれた後には、家族や親戚と一緒にお供え物の料理を食べます。
これは飲福(음복/ウンボク)と言われ、先祖が食べたものをみんなで分かち合って一緒に食べることによって、
福を授かるという意味があるそうです。

ジョンは、行事に関わらず家庭で作ったり、スーパーマーケットや市場などでも売られています。
また専門店や居酒屋などでは、マッコリに合う料理としても食べられています。

韓国旅行へお越しの際は、旧正月の料理や風習などにも触れてみてください。