みなさんこんにちは
ソウルの日中はまだまだ暑くなることも多いですが、
今週には気温が急激に下がるという予報が出ています。
一日の中でも気温の変化が激しくなっています。
今回は科挙試験の再現行事をご紹介します。
今年は「第20回朝鮮時代科挙制再現行事」が10月13日(日曜日)に雲峴宮で開催されました。
雲峴宮は、昌徳宮や仁寺洞の近くに位置しています。
科挙は、高麗時代初期から朝鮮王朝時代末期まで行なわれた役人の登用試験です。
朝鮮時代の科挙制度は、1392年から1894年まで行なわれたといわれ、
100年後の1994年にこの再現行事が開催されるようになりました。
科挙試験は、大きく「文科」「武科」「雜科」に分かれていますが、
再現行事では、「文科」試験が行なわれます。
この再現行事で行なわれる試験は、「文科殿試儀」に従って、王が出席して進行される試験を再現しています。
朝鮮時代の記録に基づいて再現される行事ですが、実際に事前に申請した受験生が試験を受ける行事ともなっています。
試験前には王が登場し、王から試験の主題が発表されます。
幅広い年齢層の200人もの受験生が試験を受けています。
受験者は、当時の礼服姿も再現しています。
韓国の歴史ドラマの中でも、科挙試験の場面が度々見られます。
撮影のワンシーンのようです。
再現行事とはいっても、受験者は真剣です。
行事の際には雲峴宮が無料で開放され、関係者だけではなく多くの観光客が見学に訪れていました。
行事は一日がかりで行なわれます。
試験を提出した後の採点時間内には、宮中の饗宴が行なわれ、さまざまな分野の伝統芸能を鑑賞することができます。
農楽公演では、リズミカルな伝統楽器の音色と共に、さまざまな技が披露されます。
難易度の高い技の披露では、観覧客を盛り上げていました。
宮中舞踊の公演では、無形文化財保有者や専門的な研究員たちによる、優雅で華やかな踊りを見ることができました。
衣装もとってもきれいです。
伝統楽器の演奏やパンソリの公演も行われていました。
美しい音色や歌声が雲峴宮に響き渡っています。
公演の後には、合格者が発表されます。
その後は、合格者が国王の前に整列し合格証書を受け取る「放榜儀(バンバンイ)」、合格者の栄誉を祝福して宴会を行なう「恩榮宴(ウニョンヨン)」、合格者が王から受け取った御賜花をつけて街中を行進する「遊街行列(ユガヘンリョル)」なども行なわれます。
当時の科挙試験がどれほど大きな儀式であったかが分かります。
また行事に合わせて雲峴宮内では、合格者の衣装試着体験や弓矢作り体験なども行なわれていました。
体験コーナーでは特に子供たちが楽しんでいました。
家族一緒に伝統行事に参加しています。
また当日の雲峴宮にはたくさんの官僚役の人々がいたため、一緒に記念写真を撮影する観光客の姿もありました。
科挙試験再現行事では、朝鮮時代の試験の様子に触れたり、歴史と伝統を引き継ぐ貴重な機会となっています。
教科書や本だけではなく、実際に体験しながら当時の様子を学ぶことができます。
韓国旅行へお越しの際は、季節ごとに開催されるイベントもチェックしてみてください。