太陽を抱いた月

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作品紹介荒々しい時代劇ロマンスとして人気を得た『トキメキ☆成均館スキャンダル』の作家のチョン・ウングォルが描いた作品だ。

『太陽を抱いた月』は、朝鮮の仮想王フォンがヨヌに一目惚れをする事からはじまる。フォンの純粋な初恋が描かれていき、やがてその初恋が成就することとなる。しかし運命のいたずらかのようにヨヌの突然の死が訪れる。朝鮮王フォンは、愛する人と死別した苦しみや辛さによって、心の病にかかってしまう。そんな中、雨宿りのために立ち寄った家で、愛する人によく似た巫女と出会う。このドラマには朝鮮王の初恋相手に対する一途で純粋な愛、そして切ない愛の物語が描かれている。
ドラマの主演には人気子役をはじめ、イ・フォン役にキム・スヒョン、ヨヌ役にハン・ガイン、ヤン・ミョン役にチョン・イル、ユン・ボギョン役にキム・ミンソと、そうそうたる韓国の男優や女優がキャスティングされている。中でも、キュートな笑顔が魅力的な女優ハン・ガインは、『太陽を抱いた月』で初めて時代劇ドラマに挑戦し、多くの話題を集めた。
『太陽を抱いた月』は、MBCの水・木ドラマとして初回から最終回まで高視聴率を得た人気ドラマであった。時代劇ドラマのミニシリーズにしては珍しく視聴率が40%も超え、韓国国民ドラマに君臨した。またドラマの人気だけではなく、原作小説はベストセラーに輝き、ドラマのサウンドトラックも有名歌手を抜いてK-POPヒットチャートにランクインを果たしたほどである。
このドラマの背景には、「日月五峰図(日と月と5つの峰が描かれた王を象徴とする絵)」を基本に、太陽を王であるフォン、月を王妃となるヨヌとして表現している。
また、フォンの異腹の兄であるヤンミョン、ヨヌを追い出し宮廷入りするボギョンと「二つの太陽と二つの月」として、互いに共存することができない関係を描いていく。

作品名太陽を抱いた月
出演 ハン・ガイン、キム・スヒョン、チョン・イル、キン・ミンソ、ソン・ジェヒ
放送期間 2012年1月4日~2012年3月15日(毎週水・木曜、全20話)
放送局MBC 
監督 キム・ドフン、イ・ソンジュン
脚本 チン・スワン

あらすじ朝鮮時代の仮想王フォンと弘文館大提学ホ・ヨンジェの娘であり、ヨムの妹のヨヌは、世子侍講院(皇太子の教育を受け持った官庁)で、文科に合格した兄の放榜禮(バンバンレ:トップ合格者が王にお辞儀をして合格証と御賜花を受ける儀式)を見るため宮廷に行く。宮廷では、師範達も頭を抱えるほどのいたずらっ子である王世子フォンが、隠月閣の塀を越えようとし、そこでヨヌと出会う。怪しい行動をとるフォンを見たヨヌは、泥棒だと間違えてしまう。やがてヨヌは、フォンが王世子ということを知る。一方のフォン王は、ヨヌと出会い一目惚れをする。フォンは、ヨムを通じて、ヨヌと手紙の交換をしていく。ある日、王の世子嬪(セジャビン)が選ばれる日、フォンはヨヌが世子嬪になる事を願い、ヨヌもまた世子嬪を夢見ていた。フォンの努力によってヨヌが世子嬪に選ばれたが、幸せは一時だけであった。まるで運命のいたずらかのようにヨヌが宮廷入りする数日前に病気にかかり、父ホ・ヨンジェの腕の中で他界してしまう。突然愛する彼女を失ったという事実を受け入れられないフォン。

時が流れ朝鮮王となったフォンは、愛する彼女との別れによって苦しみ、笑顔を失った。ある日フォンは、内医院の勧めで、避病をしに行った場所で、護衛のウンと共に村を訪ねた。そして、雨を避けるために、巫女の家で雨宿りをすることとなる。そこで愛しいヨヌにとてもよく似た人物に出会い、8年前のヨヌの死についてもう一度調査してみることになるが・・・・。

登場人物• 月に恋する太陽 李暄(イ・フォン)役(キム・スヒョン )

「私はこの国の皇太子だ」(王世子時代)
賢く美男で、根拠のない自信に満ち溢れている。しかし、まだ冷徹さと卑劣で醜悪な政治世界の現実を知らない。そのため危険な存在である陽明(ヤンミョン)の前でもいつも明るく笑う。
ヨムを通じで学問の楽しさや王の勤めについて学び、ヨムの妹であるヨヌには、治めるべき宮廷の外の世界と、初恋のときめきを学んだ。
ヨヌが世子嬪に選ばれた時、初恋は叶ったかのようにみえたが、彼女は突然亡くなってしまい、母方の親戚のポギョンが代わりに世子嬪となった。
しかし、今やフォンは幼い王世子ではなかった。
「私は朝鮮の王だ」(現在)
冷たく、シニカル。そしてあまり笑わない。後宮どころか王妃も抱かない。
内医院の勧めで宮廷を離れ、偶然に巫女の家で雨宿りをすることになるが・・・。

• 太陽を包む月  煙雨(ホ・ヨヌ) (ハン・ガイン)
弘文館大提学ホ・ヨンジェの娘、ヨムの妹、フォンの初恋の相手。
ヨヌ(煙雨)という名前は、ヨヌの父が付けた名前だ。霧雨または小雨という意味。
しかし彼女の性格は、むしろ熱い太陽の下で爽快に降るにわか雨のようにすがすがしく、そして新鮮で快活さがある。弘文館大提学の娘として賢くはつらつとしている。
偶然に宮廷の入ることとなり、そこでフォンを初めて出会う。心の中で密かに抱いていたときめきがついに初恋となった。フォンと一緒になり、世子嬪として幸せな日々を迎えるはずであったが・・・原因不明の病によって他界する。

• 太陽にさえぎられた悲しい光  陽明(ヤン・ミョン) (チョン・イル)
前王の長子。禧嬪朴氏(ヒビンパクシ)の子、王位継承権第1位の王子。
自分の心のままに生きる、風流男児。表面上は虚々実々のように見える。
自由を得るために、彼がどんなに力を注いでいるのか誰も知らない。
ヤンミョンの邸宅には、常に権力に続こうとする両班たちで溢れている。
幼い頃は、フォンの影で父から冷遇される日々を送っていたが、弘文館大提学の家に出入り、癒されていた。そしてそこでヨヌと出会うこととなり、焦れったさと懐かしさ、そして恋慕を知った。ヨヌが世子嬪として選ばれたが、すぐに他界してしまい絶望に陥る。永い歳月が過ぎたが、運命は再びヤンミョンとフォンを対決させる。

• 月を夢見る鏡  寶鏡(ボギョン) (キム・ミンソ)
皇后、フォンの正妃、ユン・デヒョンの娘。
優しく温かい人柄で、慎ましい女性。
善良で柔和な性格のため、宮廷の人々の間で飛び交う世論の全ては皇后の味方となる。しかし彼女は、妊娠を望まないフォンを一度も恨まない。何事もなかったように静かに笑みを浮かべる。
ここまでが、対外的な彼女の姿である。
大人たちの愛、下の人々の欽仰、王親の同情、朝廷の世論などは全てが彼女の戦略によるものだった。幼い頃は平凡な子供であったポギョンを、このような野心家に育てたのは、彼女の父であるユン・デヒョンだ。世子嬪になりフォンのそばにいたいという彼女の願いは、ヨヌの訃報によって現実となった。そんな中、記憶を失った巫女ウォルが現れる・・・。

• 翼の折れた花火 ホ・ヨム (ソン・ジェヒ)
王の婿、ミンファ公主の夫、ヨヌの兄、フォンの師匠であり義弟。
とても美しい容姿で、成均館の儒生たちの憧れの的であり、秀才であった。
また1世紀に1人生まれるか生まれないかの超天才であった。もちろん欠点もあり、正直すぎて融通性がなく、男女の感情に対して鈍い儒生であった。その最大の被害者はミンファ公主だ。
17歳の時に首席合格を果たし、その年に世子侍講院(皇太子の教育を受け持った官庁)で文科を担当し、2歳下の王世子のフォンの師匠となった。
ファンとは師弟の情、君臣の情、同輩としての友情を分かち合った。
そしてヨヌの死によって悲劇が始まる。ヨヌとフォンに引きあわせたことを後悔しながら生きているが・・・。

主なロケ地• 龍仁MBCドラミア(京幾道、龍仁)

2011年に正式にオープンした龍仁MBCドラミアは、約43万坪もの敷地全体に壮大な建築物が広がるドラマセット場である。主に時代劇ドラマの撮影地として、多くの時代劇ドラマがこの場所で撮影されている。セット場では韓国の三国時代(高句麗、百済、新羅)や高麗時代(918-1392)、朝鮮時代(1392-1897)の建築物や街並みが再現され、各時代別に王宮や城郭、市場、個性溢れる民家などの数多くのセットが造成されている。またセット場ではあるが、大理石など実際に使われる建築材が用いられると共に、昔の建築法で建設されているため、迫力もあり見ごたえがある。
『太陽を抱いた月』のドラマの中では、宮廷シーンのほとんどがドラミアで撮影された。

• 韓国民俗村(京幾道、龍仁)
京畿道の龍仁に位置している。韓国の伝統的な建物と資料を昔のままに再現した韓国最大の野外民俗博物館である。韓国の昔の家屋が連なり、まるでタイムスリップしたかのような感覚が味わえる。『太陽を抱いた月』の他にも、『大長今(宮廷女官チャングムの誓い)』『一枝梅(イルジメ)』『王の男』など様々な韓国時代劇の定番の撮影場となった。また、撮影地以外にも韓国の民俗文化が息づく場所として、韓国を代表する観光地としても有名である。『太陽を抱いた月』では、ヤンミョンが住む家や市場などのシーンが撮影された。

• 華城行宮(京幾道、水原)
水原華城行宮は、朝鮮後期の政治と軍事または、社会文化の変化を見ることができる重要な遺産である。日帝强占期によって壊されたが、華城行宮洛南軒(ナンナムホン)だけが残り、その後全てが復元された。朝鮮時代の行宮の姿がほぼ再現されている。行宮とは、戦乱、休養、陵園参拝などで王が地方に出向いた際の臨時の滞在場所として別途に建てられた宮のことである。この華城行宮は他の行宮の中でも最も美しい場所として数えられている。
『太陽を抱いた月』では、華城行宮の隣に建てられた華寧殿でも撮影が行われ、巫女たちが住む場所として撮影され、ウォルやソル、チャンシルの居所としても用いられた。

• 南楊州(ナムヤンジュ)総合撮影所(京幾道、南楊州)
映画やドラマの世界を体験する事のできる南楊州総合撮影所は、40万坪という広大な野外撮影所。施設内には、6つの室内スタジオ、録音室、現像室、デジタル視覚効果チームなどが備えられ、アジア最大の規模の映画・ドラマ制作施設である。1つの作品を撮影から後半作業までワンストップで製作できる韓国国内唯一の撮影所。
『JSA 共同警備区域』『SILMIDO』『ブラザーフッド (原題:太極旗を翻して) 』『美人図』などの映画もこちらで撮影されている。

• 景福宮(ソウル)
『太陽を抱いた月』で撮影された広大な宮廷は、ソウルの中心に位置している景福宮で撮影された。景福宮では、他にも各時代劇ドラマや映画の撮影が行われ、現在も多くの観光客が訪れている。
景福宮は、朝鮮王朝第一の正宮として600年もの歴史があり、1592年壬辰倭亂の際に焼失したが、1868年高宗の時に再建された。
『太陽を抱いた月』は壬辰倭亂が起きる前の朝鮮前期を背景としている。

• KBS聞慶(ムンギョン)セット場(慶尙北道、聞慶市)
慶尙北道に位置するKBS聞慶(ムンギョン)セット場では、2008年にKBS「大王世宗」の撮影のために、「太祖王建」の撮影時に用いられた高麗時代を背景とした建物を壊し、朝鮮時代を背景にした建物を改築したところである。韓国各地に点在するセット場の中で最も規模の大きい撮影所として知られて、聞慶セジェ道立公園の園内に位置している。

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